6ヶ月後。
2018年4月。
「大崎マネージャー!
もう会議始まるよー!!」
「あ、はい!今行きます!!」
大崎ハルナは、
今まで勤めていた会社のオフィスに居た。
会社の中での肩書は、
マネージャー。
廣田部長から打診があった通り、
2018年1月から晴れてマネージャーになって、
今では5名の部下を抱える管理職となった。
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ハルナの誕生日は6月。
今年あと数ヶ月したら30歳になる。
29歳でマネージャー職に就くのは、
女性では社内の中で1,2を争うスピードだったらしい。
まぁハルナが優秀だったのか、
世間の女性活躍推進という波で、
チャンスがたまたま巡ってきただけだったのか、
まぁどちらにしても、
ハルナの人生を変えた出来事には
間違いなかった。
半年前と今、
ハルナにとって大きく変わったことが、
もうひとつあった。
それは、
今、仕事に夢中だということ。
恋人だった崇史とは、
残念ながら別れた。
別れを決意したのは、
崇史のほうが先だったのか、
ハルナのほうが先だったのか、
今となってはよくわからない。
ただ、
あの日居酒屋で、
ビールを片手に崇史が呟いた、
「ハルナ、その仕事受けたいの?」
という言葉は、
ハルナは一生忘れないと思う。
![](http://jyoshitoku.com/wp-content/uploads/2017/11/sand-1229591_640.jpg)
あの言葉は、
暗に俺についてきて欲しいという
声のニュアンスだった。
そして、
崇史にはそんなつもりは
なかったかもしれないけれど、
ハルナには、
「そんなに働くの?」
と言われているように聞こえた。
その時、明らかに自分の
テンションが下がったのがわかった。
だから、
それ以降のことは、
実はよく覚えていない。
何がきっかけで、
崇史とあまり連絡を取らないようになったのか、
何がきっかけで、
自分の中で関係が終わったと
判断をしたのか。
よく覚えていないが、
でも、崇史との関係は終わった。
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29歳、大崎ハルナ。
今では早く30歳になりたくて仕方ない。
何故って、
周りから未だに
結婚の心配をされるからだ。
後輩のあつ美も、
先月会社を辞める時に、
「せんぱーい、結婚諦めちゃダメですよ!」
って、なんだか慰めモードだったし(笑)
未だに学生時代の友人たちは、
ハルナの結婚のことを心配している。
決めたんだ。
一回仕事に集中してみようって。
だから、
外野の声が少なくなる
30歳に早くなってしまいたい。
人生を重ねると、
オンナは3つのタイプに別れる。
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一つ目は、独身者。
二つ目は、既婚・子供なし。
三つ目は、既婚・子供あり。
ハルナにとって、
そんなラベルはもう必要なかった。
だって、自分で生き方を決めたから。
あなたにとっての、
自分で決めた生き方とは
一体どんな生き方ですか?
今自分で決めた人生を
胸を張って歩めていますか?
私たちの人生において、
当たり前なんて存在しないし、
普通とか、一般的も、
全くもって存在しない。
オンナが29歳までに結婚も、
自分がそうと決めたらそうなるし、
違う生き方を選択したならそれでいい。
今読んでいる皆さんにとって、
ハルナの葛藤や決断が背中を押すヒントになったら、
作者としてとても嬉しいです。
29歳の憂鬱〜東京:三軒茶屋在住、OL大崎ハルナの話〜
作者 三浦綾子
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