海外生活をしてみたい、海外移住をしてみたい、そして、国際恋愛・結婚も・・・。
そんな方に向けてお届けをしている、こちらの連載。
海外に行くまでは勇気も入るし、移住となるとそれ相応の準備や手続きも必要になります。
そして、
「世界一安全と言われている日本から飛び出す」
ということも、海外生活を叶える上で念頭に置いたほうが良いでしょう。
日本にいると、なかなか想像も及ばないようなハプニングが、海外では普通にあったりするわけです。
今日は、私がこちらにきてから遭遇したハプニングの数々をご紹介します。
クスッと笑っていただきつつ、海外移住を叶えるための心の準備の一部として読み進めていただけると嬉しいです。
スタバでキャロットケーキに舌鼓をうっていたら…カバンを丸ごと盗まれた!!
日本では、席にカバンを置いたままお手洗いに行っても、席取りのためにバッグを置いたりする光景を、日常的に目にしますよね?
これって、本当に日本が安全な証拠。だって、貴重品が入ったバッグを置き去りにしてもだれも盗まないんですから。
海外では、やはりこのあたりの感覚が日本とは違います。実はわたしもスペインに移住後、カバンを丸ごと盗まれた経験があるのです。
カバンを身の回りに置いていたのに無残にも持ち去られた事件
バルセロナでの学生生活にもだいぶ慣れてきたある日の午後。
フルタイムの授業を終えたあと、クラスメート(台湾出身の子)とスタバへお茶をしに行きました。
久しぶりにゆっくり話ができるね!とラテをキャロットケーキを注文して、落ち着ける2階席に上がりお茶の時間を満喫していると…
階段のすぐ横だったその席。
階段の真ん中くらいから、男性が自分のお財布を開いた状態で見せて、スペイン語で
「カルテラ!カルテラ!」(カルテラ、はスペイン語で「お財布」の意味)
と言っているのです。
なにこの人変な人ー!
と友達と目を合わせ、一体なにが言いたいんだろうと思った次の瞬間、別の方向から
「カバン!!!!!!」
と言う叫び声が聞こえました。
時すでに遅し。
そう、私は迂闊にもカバンを座席の後ろにかけていました。
そしてキャロットケーキに夢中になり、カルテラおじさんに気を取られている間に、彼の相方が一瞬にして私のカバンを持ち去りました。
なにがなんだかわからず、一瞬にして一文無しになった私。
とはいってもカバンの中には、現金は5ユーロほどしか入っていませんでしたので、カルテラおじさんも、がっかりしたに違いありません(笑)
それでも、母が買ってくれた大切なカバン、iPodとお財布、ハワイで買ったお気に入りのサングラス、授業の道具(これはまぁ別に…笑)、買ったばかりの携帯電話、身分証明書になる学生証…全て盗まれました。
びっくりした次の瞬間は、悔しくて怒りが湧いてきて、その泥棒を私は追いかけました。足はとても遅いのに、そんなことも忘れて必死で追いかけました。泥棒ーー!と叫びながら。でもあっという間にバルセロナの街の中へ消えて行きました。
よく置き引きにあうと、金目のものだけ取られて、身分証明書などはその辺に捨てられていることもあると聞いたことがあるので、そのエリアをうろうろしましたが何一つ見つからず。。。
一緒にいた友人のおかげで、なんとか警察での盗難届を出し、その1枚の紙切れを持って携帯電話やクレジットカードを止めたり、バスに乗り帰宅しました。
「カバンを丸ごと盗まれてしまってお金がないんです・・・」
と言いながらその紙切れを見せてバスに乗る時、本当に悔しくて涙が出ました。運転手さんが、優しくウィンクしてくれたことを今でも覚えています。
バルセロナ生活に慣れてきたから、ちょっと気が緩んでしまっていた出来事でした。
観光客が集まる場所にカルテラおじさんは潜んでいる!?
実は、スターバックスってバルセロナでは「観光客の集まる場所」です。
今でこそローカルにも人気があるけれど、スタバのコーヒーを「まずい」というスペイン人も多くて。こちらのコーヒーってものすごく濃いので、スタバのコーヒーは「犬のおしっこみたい」なんて(薄くてまずい、という「例え」なので、実際に犬のおしっこを飲んだ訳ではないと思います。笑)毛嫌いする人もいます。
そのため、スターバックスはローカルの人は比較的少なく、観光客が圧倒的に多い場所です。
つまり、それはスリや置き引きのチャンスを狙っている人にとって「絶好の場所」なのです。
(観光客はリラックスモードで気が緩んでいたり、そういう被害にあうとは思っていないから)。
カバンの口が開いている状態で、貴重品が一番上に乗っていても大丈夫、カフェやレストランで座席に携帯電話を置いてお化粧室に行っても、戻ってきたら「そのままそこにある」ことがフツウという環境(日本)で育った私にとって、身近にスリや置き引きの可能性が潜んでいることを確認した瞬間でした。
それ以来、カバンは口をしっかりしめて、体の前で持つ!を徹底しています。
バルセロナにいらっしゃる方が、美味しいお店情報などを求めてコンタクトをくださることが多いのですが、その時には併せてスリが多いこともお話ししています。
脅かすわけではなくて、知らないとせっかくの旅行が台無しになりますし、旅先で貴重品の入ったカバンを盗まれるなんて、考えただけでも悔しい!!そして色々な手続きも大変でいらない不安まで付いてくる。
そんな目に遭っていただきたくないので、スリには十分に注意してくださいとお話ししています。
カバンをしっかりコントロールしていれば、まず問題ありません。
「落ち武者」をわかってもらえず日本文化がわかる友人も欲しい!ともどかしさを感じた事件
憧れのスペインでも生活をスタートさせたわたしですが、やなり長く慣れ親しんだ日本の文化も恋しくなるもの。
ちょっと笑える出来事ですが、「落ち武者」をわかってもらえずに、日本が恋しくなったことがありました。詳しく説明しなくても「ツーカー」でわかってくれる友人の存在って貴重です。
なので、たまに日本に帰ってきて日本文化に触れたり、スペインに住んでいる日本人の友人たちと交流することは、わたしにとって適度なリラックスタイムとなっているのです。
スペイン語で説明できない言葉「落ち武者」
こちらに来て、しばらくシングル日々を満喫した私なのですが、その時の一番のお楽しみはサルサダンス!レッスンに通い、週に4回はサルサを踊るためにクラブへ通う生活でした。
そんな中、世界中のダンサーが集まりワークショップをするイベントが、お隣のアンドラ王国で開催されるというので、サルサダンサー仲間と出かけサルサ漬けの週末を過ごすことにしたのです。
朝から終日ワークショップに参加し、有名ダンサーの踊りに感動し、夜はいざ実践!
大きなホールがバンスホールになり、夢のような踊りやすい床(マニアックです。笑)素晴らしいダンサーとのサルサナイトは今でも忘れられません。
その時に、有名ダンサーのショーがありました。
その中に、髪は長いけれどトップには毛がないヘアスタイルのダンサーがいました。
知らない人なのに、なんだかちょっと親近感がわくなぁ…そんなことを思っていて。
なぜだろうなぜだろうと、ショーの間ずっと考えていてやっと答えにたどり着いた。
それが
「落ち武者の髪型だからだ!!!!!!!!」
ということ(苦笑)
けれど、一緒に行った友人は全員ローカル…日本文化に詳しい人もおらず、サルサナイトを満喫している時に落ち武者の説明をする気にもなれず、そのままだんまりしました・・・。
あぁ、残念。とっても不完全燃焼になった記憶があります。
日本人同士だったら、「あの人の髪型落ち武者みたいだね」だけでスッキリできることなのですが、この時私の中に残ったモヤモヤと言ったら、こうして今でも覚えているほど。
外国語でコミュニケーションすることのもどかしさを感じた出来事です。
これは「ハプニング」ではないかもしれませんが、海外生活あるあるです。適度に日本文化を話せる友人も持っておくことをオススメします。
道端で困っている人が泣きついてきたらどうする?…実は詐欺だったー!
困っている人を見かけたら、すすんで手を差し伸べる。
思いやり大国日本で育っている私たちには、ごくごく普通のことだと思います。
日本人じゃなくても、困っている人を助けようとするのは世界共通だと思います。
でもそういう優しい心を持った人、人の暖かい思いやりに漬け込む人がいるのです。
ある日の夜、友人とディナーを楽しみ帰宅する途中での出来事。
男性が、泣きながら近づいてきました。
「持ち物を全部盗まれてしまって、お金が一銭もありません。私は今日到着したばかりで、大使館ももうしまっているし誰も知り合いがいない。お金がなくてどこにも泊まれないし、食事をすることもできないので少しお金をもらえないだろうか。」
と、大の大人の男が涙を流し訴えるのです。
これは一大事だと、友人(ドイツ人)と顔を見合わせ20ユーロずつ渡しました。
彼は、涙を流しながら、私たちの手を取り、ありがとう、ありがとうとなんども言い、その場を立ち去りました。
その数日後、この男性に遭遇した場所は、当時私が勤めていたオフィスの近く。外にでる用事があり、日中そのエリアを歩いていると…
「あれ?なんだか見覚えのある…あの数日前にお金をあげた男性!!!!!!!!」
そう、彼は同じように涙を流しながら、道ゆく人に事情を説明しお金をくださいと言っています。
詐欺だったのです。
ショックを受けている私の気持ちなど知る由もなく、私の顔など覚えていない彼は涙を流して、近寄ってきました。
「困っているから少し助けてもらえないだろうか?」
と。
そして私は、答えました。
「あなた数日前に、夜中に同じことを言って差し上げたお金もう使ってしまったのですか?」
と。
彼の涙は一瞬で乾き、そそくさとその場を立ち去ったことは言うまでもありません。
それにしてもあんな風に涙を流せるなんて、本気で取り組むとあそこまで本格的にできるものなんだと少し感心しつつ、これまた人生で初めて詐欺にあったエピソードです。
よく考えてみると、各国の大使館や領事館にはいつでも緊急時に相談できる電話番号などがありますし、本当に困った時には警察へ行くこともできます(こちらの場合は教会なども)。
本当に困っている人だったらどうしようと、良心が痛みますし悩むところですが、こういう手の詐欺もあるのでお気をつけくださいね。
一緒にお金を払ったドイツ人の友人に報告し、やられたね…と話していた時に、彼女と落ち着いた結論は「本当に必要かもしれなかった人に少しでもお手伝いができたと思うようにしよう」ということ。
それでもあの予期せぬ再会をした時のもやっとした気持ちは今でも鮮明に覚えています。
移民局の手続きで行列に並んでいたら、目の前で番号が止まりそこから1時間待ち
ラテンな国で生活をしようと思った時、「生活のリズム」が全然違う!ということに気づかれる方は多いと思います。
スペインももちろんその1つ。
公共機関での仕事の遅さや、本当に自分の仕事しかしない!という徹底的な態度には、できるだけ効率よくチームワークで仕事を進めるのが得意な日本人にとって、イライラしてしまう原因かもしれません。
今でこそイライラしなくなりましたが、最初はそのギャップになれるのが結構大変でした。
居住許可証の手続きのために、移民局へ出かけたことがあります。
受付で順番待ちのための番号札を受け取り、電光掲示板で呼び出されるシステムなのですが、まもなく私の順番だと思っていたら、1つ手前の番号からピタッと動かなくなりました。
椅子に座って待つこと1時間。
なんと、移民局のスタッフは「朝食休憩」に出かけていたのです。
スペインは始業時間は8時から9時の間で日本と変わらないのですが、お昼の時間が14時頃から、と遅め。
ですので、10時半とか11時くらいにブレイクを入れる人が多いのです。
通常は、10分とか15分で軽食やフルーツをささっと食べたり、コーヒーを1杯飲んだり、という程度なのですが、公務員の休憩は長い!!(笑)
どんなに行列があっても、ブレイクは神聖なものですから涼しい顔をして、しっかり休憩します。
朝食休憩のために1時間も待ったとわかった時には、怒り心頭だった私ですが、今となってはそういうものだと現実を受け止める力が身につきました。
まとめ
私は11年バルセロナに住んでみた中で遭遇した、ハプニングの一部をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
どこにいても予期せぬハプニングはあると思いますし、このハプニングを読んでいただいたあと
「やっぱり外国は危ないんだ」
とか
「外国のルールの中で生活できるだろうか」
と、不安な気持ちになる必要はありません。
確かに、近づかないほうがいいエリアとか、特に夜道の女性の1人歩きはやめておいた方がいい場所とか、その土地によって知っておいた方がいい情報はあると思います。
そして憧れの地で快適にそして幸せに生活をしていくには、その土地のルールを尊重することも大切なことなのではと思っています。
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