女子トクのみなさまこんにちは、双子ママ管理栄養士の亀崎智子(さとこ)です。
連載中の知っておきたい発酵調味料シリーズの3回目になります。今回のテーマは「お酢」です。
お酢もまた、お料理をする場面ではいろんな面で活躍していると思います。しかしながら、5大発酵調味料の中では1番手作りされることが少ない調味料でもあります。
今回はそんな酢についてご紹介したいと思います。
実は女性に嬉しい効果がありますし、手作りするのがちょっと難しい発酵調味料なので賢い選び方を知っておいて欲しいアイテムでもあるのです。
そもそも「お酢」ってどんなもの?
酢と聞くとみなさんどのようなイメージがありますか?
多くの人の頭に思い浮かぶものは穀物酢であり、日本では主食にもなっているお米を使った米酢のことを「穀物酢」に分類されます。
実は「穀物酢」以外にも、大麦や小麦、酒粕などから作られるものもありますし、戦後には外国からのものも加わるようになり、ワインビネガーや、バルサミコ酢、りんご酢、柿酢なども簡単に手に入れることができるようになりました。
酢は糖質やでんぷん質が酵母の働きでアルコール発酵してアルコール(エタノール)が作られます。
そのアルコールが酢酸菌により酢酸発酵されることによって作られる発酵調味料になるので、シンプルな材料で作ることができるのです。
「お酢」って自家製で作れるの?
結論から言うと、作ることはできます。私もまだ挑戦したことはないのですが、自宅でも作ることは可能なんです。
ただし、お酢はアルコール発酵・酢酸発酵という段階の発酵工程を経るので塩麹や甘麹なんかと比べると手間がかかってしまいます。
簡単に説明すると、
①米麹・蒸した米(もしくはもち米)・水(・発酵をうまくいかせるために酵母菌を使用も可)を使って、まずアルコール発酵をさせる。
②①で作られたアルコール・水(・あれば種酢)で酢酸発酵させればできあがり。
こうやって書くと簡単に見えますが、仕込む環境状態によっては上手に発酵が進まないなんて場合もあるので(※種酢とは酢酸菌が生きている酢のことになります。市販のものは基本加熱処理されて出荷されるので生きていません)酢に関してはどうしても作ってみたいなんて人以外は手作りする必要はないと思います。
では、どんな「お酢」を選んだら良いの?
酢と一言で言ってもその種類や製造方法は1つではありません。そこでみなさんに酢を買う時に見てもらいたいポイントが2つありますので、ご紹介しますね。
1、醸造酢を選ぼう
酢の種類は大きく分けると「醸造酢」と「合成酢」の2種類に分類されます。
醸造酢は穀類や野菜、果物、その他の農産物、はちみつ、アルコールなどを酢酸発酵させて作られた液体調味料になります。一方、合成酢は氷酢酸または酢酸の薄めた液に砂糖類や酸味料、調味料、食塩などを加えて味を整えたものもしくは醸造酢を加えたものになります・
そのため、今使用している酢の裏の表示を見て「合成酢」と書かれているのであれば「醸造酢」と書かれているものを選ぶことをおすすめします。
また、醸造酢はさらにいろいろな種類がありますが、これはご自身が好きな物を選んでいただいてよいと思います。
ただし、穀物酢であれば酢1ℓに対して穀類が40g以上で果実酢であれば酢1ℓに対して果汁300g以上でうたうことができるので残念ながらアルコールなどで薄められているものもあります。
なので、できれば、米酢であれば米だけ、りんご酢であればりんご果汁だけというようにシンプルな素材のみで作られたもので選んでみてはどうでしょうか?
2、静置法で作られたものを選ぼう
酢の製造方法は大きく分けると「速醸法(全面発酵法)」と「静置法」の2種類に分類されます。
今現在、スーパーなどに多く並んでいる酢の多くは「速醸法」で作られたものが多いです。短期間で大量生産出来てコストもかからないのでこの方法で作られることが主流になってしまっています。
この方法だと数時間~1日で酢が完成してしまうので、味気がないし、栄養価は低い酢になっています。個人的には味がとがっている印象が強いです。
一方でおすすめの昔ながらの製法でもある「静置法」はじっくりゆっくり時間をかけておいて酢酸菌に発酵させてもらう方法なので時間もかかるし、一度に大量生産することも難しいのでコストが高くなります。
しかし、ゆっくり発酵させることで栄養価も上がり味もまろやかでコクが出て風味も良くなるのでそのままで飲んでも美味しいというものになります。
静置法で作られた酢にはパッケージやラベルに「静置法」と書かれていることも多いので、まだ口にしたことがないという人はぜひ1度手に取ってみてください。
今回は簡単ポン酢のレシピをご紹介
みなさん、ふだん家でも外でもポン酢を使うことは結構あるのではないでしょうか?
お刺身・お鍋・餃子・酢の物・サラダ・・・。そんな時はどうしていますか?
冷蔵庫の中に酢もポン酢も両方常備しているなんて方も多いのではないでしょうか?
しかし、そのポン酢の裏の表示を見たことありますか?
残念ながら、食品添加物や化学調味料、旨みをつけるための成分などがたっぷりと使われていることが多いのです。
でも、このポン酢。
基本の5大発酵調味料が常備されていれば簡単に作ることができるのです。
その日の気分によって酸味を強くしたり甘味を強くしたりなど調整が可能になるのでポン酢を買う必要がなくなりますよ。
作るようになってからわが家の冷蔵庫からポン酢は消えてしまいました。
今回はいろんな料理にも作れるおすすめの配合をご紹介したいと思います。
1,材料は醤油・酢・甘麹
ポン酢を作るのに用意するものはたった3つ。これを混ぜ合わせるだけで簡単に作れるのです。
私がおすすめの配合は、
醤油:酢:甘麹=7:5:3
醤油はもちろんシンプルな材料で作られたものを使用しましょう。酢ですが、お好みの味の酢を使用しましょう。米酢やりんご酢、柿酢など、もしくは酢に季節に合わせてレモンやカボス、ゆずなどの柑橘系の果汁を追加してもまた風味が倍増してくれます。
甘麹は甘味をつけるために入れるので、代わりにみりんを使用しても大丈夫ですよ。
ただし、みりんはアルコールでもあるので、もしアルコールが苦手な方や未成年が食べる場合にはアルコールを飛ばすことも忘れずに。
さらに一工夫としては、前もって仕込む場合には、容器に醤油・酢・甘麹とともにかつおぶしや昆布を1日くらい漬け込んで使う時には取り除いてあげるとさらに旨みが倍増して美味しくなりますよ。(時間がない時には、10分だけでも漬け込むだけでも違うのでお試しを)
2、使う時の注意点
ただし、手作りのポン酢は当たり前ですが、市販品のように菌の繁殖を抑えるような食品添加物などは使用されていないのでストックする場合は冷蔵庫保存はもちろん、長くても1週間を目途には使い切れる量を作るようにしましょう。
「お酢」の嬉しい効果とは?
酢に含まれる栄養素とは
酢の主な成分は私たちが酸っぱいと感じる酸味の元でもある酢酸やクエン酸、グルコン酸、りんご酸、酒石酸などの有機酸になります。
そして他にも量は酢の種類によって多少異なってしまいますが健康や美容を手助けしてくれるためのアミノ酸やビタミン、ミネラルも豊富に含まれています。
女性に嬉しい酢のキレイになるための効果とは
酢には食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれる働きがあるため、体内に脂肪が蓄積してしまうのを抑えてくれる効果が期待できます。
酢の殺菌作用により腸内環境が良くなり便秘の予防・改善の効果が期待できるなど女性にとっては強い味方にもなるのです。
そしてこの酸味は食欲も促がしてくれるので、夏の食欲不振の時なんかにもさっぱりと食べることができておすすめですよ。
「お酢」を上手に取り入れて美味しい食事はもちろん健康美も手に入れよう!
酢を頻繁にお料理で使うという人は、他の調味料に比べると少ないかもしれません。
しかし、ぜひとも毎日の料理に使ってもらいたい調味料の1つでもあります。
まずは自分のお気に入りのお好みの味の酢を見つけてみて今までの料理にバリエーションを持たせてみませんか?
そして、酢の効果を利用して体の中もスッキリきれいにしましょう。
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